InterBEE①「災害時に“誰一人取り残さない”を目指して~放送メディアの挑戦~」(11月17日)


毎年11月、幕張メッセで開催されているInterBEE。今年は20日に2つ、21日に1つのセッションを担当します。

20日(木)の16時からは「災害時に“誰一人取り残さない”を目指して~放送メディアの挑戦~」。

 地上放送の最大の役割の1つは、災害時に被災地に必要な情報を、早く、的確に届けること。しかし、能登半島地震では一部の中継局が停波。南海トラフ地震や首都直下地震のような大規模広域災害では、長期間、放送が困難な状況も想定されています。地球温暖化の影響で、線状降水帯発生による突発性の水害や、人の生活圏での熊被害等が多発し、よりきめ細かな地域情報へのニーズが高まっていますが、県域・広域エリアを対象とする地上放送では、情報の把握や伝達には限界もあります。こうした課題や限界に対し、地上放送はどう向き合っていくのか。シンポジウムでは、新たなサービスの導入や、テクノロジーの活用を通じて、災害時の役割のアップデートに取り組む地上放送局の方々に登壇いただきます。
 山口放送からは、みちびき(日本の衛星測位システム)とAI音声合成を活用したFMラジオの冗長化の取り組みについてご紹介いただきます。みちびきの活用は、間違いなくこれからの防災対応のトレンドになると思います。
 中京テレビからは、ドローンを使った多種多様なサービスをご紹介いただきます。津波危険エリアの映像取材&自治体と組んで避難逃げ遅れ&孤立者への呼びかけ、そしていまは、深刻化する熊被害の対応のためにも全国各地を飛び回っているそうです。最新の状況を報告してくださいます。
 北海道テレビからは、自治体防災情報伝達サービスについて。多くのローカル局が地域事業として取り組んでいる分野ですが、クラウドサービスを介することで、自治体がCMSに情報を入力する手間が省けることが、大きなポイントです。また、このサービスはハイブリッドキャストを活用。対応テレビは少なくなっているものの、自治体毎に河川カメラ映像を提供できるなどのリッチなサービスが売りとなっています。
 TOKYO MXからは、地デジ放送波を活用した防災DXシステムについて。首都直下地震の危機が迫る東京都。23区で最も人口の多い世田谷区では、指定避難所が100近くあります。被災者のニーズに応じた災害情報を届けることが困難な中、そして、通信輻輳も長期間続く中、スカイツリーからの放送波の一部を自治体に貸し出して、防災行政無線などの情報の伝達に使ってもらうサービスで、総務省の補助事業にもなっています。


 90分のセッションですが、前半は4局の事例紹介と、それに対するディスカッション、後半は、取り組みを成り立たせるための事業モデルについて議論したいと思います。
 民放の災害対応を持続可能性のあるものにしていくには、事業モデル、地域ビジネス化が重要だと考えています。このことは民放のためだけでなく、災害リスクの高い自治体にとってもプラスとなると考えます。地域の放送局との連携で、災害時に地域で誰一人取り残さない施策の実現につながるからです。全国各地の放送局の皆さんが、自分の局や地域ではどんな事業モデルの可能性があるのか、参考に持ち帰ってもらえるような内容にしていきたいと思っています。是非、足をお運びください!

https://www.inter-bee.com/ja/forvisitors/conference/session/?conference_id=3136