6月25日、フジテレビ(フジ)の持ち株会社、フジ・メディア・ホールディングス(フジMD)の株主総会が終了した。株主総会の結果を受け、サントリー、大和ハウス工業、ロッテが、7月からフジへのCM出稿を再開すると発表した。ただ、中居正広氏と元フジの社員を巡る一連の問題以降、ガバナンス不全や人権意識の低い上層部の姿勢を繰り返し見てきた視聴者が、フジに対して抱いた嫌悪感は、そう簡単に払拭されることはないだろう。最近では社員がオンラインカジノに手を染めていたことが発覚し、視聴者感情の悪化に追い打ちをかけている。放送は広告主と視聴者の二面性市場である。たとえCMが戻ってきたとしても、視聴者が戻ってこなければ、フジの再生はない。
コンテンツビジネス企業としてのフジの再生には、フジHDが成長戦略として掲げた、番組やキャラクターなど知的財産(IP)の収益化がカギを握る。しかし、メディア企業として視聴者の信頼を回復していくためには、人権施策や組織風土改革のような、地味できめ細かい施策の積み重ねが重要である。本論考では、放送局に共通する論点として「人権施策」「あしき慣習の一掃」「バラエティーの“公共性”」「放送局のガバナンス」の4点について筆者の考えを述べた。
